メルトリップとは?
メルカリの子会社、株式会社ソウゾウから旅行領域の新アプリ「メルトリップ」がリリースされましたね。
メルカリは少し前に旅行領域に参入してくるというニュースが話題になっていました。
どんな手をうってくるのかと思ってましたが、ひっそりと旅行のストーリー、日記共有アプリでしたね。
アプリの説明では
みんなの旅行・おでかけ情報が、いい感じに集まっています
旅の思い出を魔法のようにサクッと日記にして、シェアもできます
となっています。簡単に言うとデータフォルダに入っている写真を読み込んで、位置情報や時間、写真の種類などでグループ化し、時系列でタイムライン風のストーリー(日記)にしてくれるといったものです。ストーリーはコメントやタイトルをつけて公開でき、公開されたストーリーにはSNSライクにコメントやいいねをつけることができます。
今のところiOSのみですが、気になる方はこちらからダウンロードできます。
メルトリップの使い方
まずはダウンロードすると、
電話番号認証があります。
電話番号で送られてきた6桁のコードをいれると認証完了。
タイムライン画面になります。ここでページ下部の+ボタンを押して、「写真」へのアプリアクセスを許可します。
そうするともう自動でストーリーを作ってくれます。
メルトリップの良い所
とにかくラクちん!ボタン一つで日記ができる!
旅行記をつくろうとしたことがある人ならわかると思いますが、旅行記の作成ってかなりめんどくさいのです。写真選定、位置情報の設定、あれが良かった・これが良かったといったコメント、そこに行くのに要した費用etc記録したいことが多すぎて整理がつかず、時間がかかり、結局やめるといったことになりがちです。
そんななかボタン1つでできるという手軽さは受けますね。
地図上に思い出が残る
昔から旅行記書いている人ならわかるのですが、複数の写真と複数の位置情報の紐付け、wordpressでやるにしても、何でやるにしてもかなり難しいもの。結果、思い出と写真は紐付いても、場所は紐付かないとこも多々あります。このアプリだと距離感含めて全て残るのが素敵です。
収益化ができる(かも)?
上記のようにワンタップで旅行記が作れて、それを公開すると、チップというポイントがもらえます。現時点ではこのポイントは何にも使えませんが、いつかメルペイやメルカリで使えるようになるかもしれませんね。
メルトリップの悪い所・改善して欲しいところ
ストーリーには位置情報がないと自動で読み込まれない
ボタン一つでデータフォルダの写真を読み込んでくれるのですが、位置情報がないものは自動で取り込んでくれません。ここで問題としてあげられるのが、位置情報をつけたまま写真を撮る人がどれだけいるかという問題です。
位置情報は個人を特定するので、どうしても神経質になりがち。位置情報をつけた写真をSNSにあげて、自宅の位置が発覚したり、自分の位置がわかってしまったりすることもあるので、写真を撮るときはGPSをオフにしている人が多いのではないでしょうか。
それとは別にGPSをオンにしていると電池も消耗しますし、やはり位置情報がついた写真は少ないのではないかと思います。私自身も位置情報がついた写真は数千枚のうち数十枚でした。
また、最近では友人といった写真をLINEで共有したりすることも多いと思いますが、LINEに写真をあげると位置情報は削除されます。つまり友人からLINE経由でもらった写真はストーリーには読み込まれないのです。
もちろん手動であげられもするのですが、さすがにちょっとめんどくさいかなーと。個人的には写真をAIか何かで解析して、勝手に位置を判別してくれたら良いと思いますが、難しいですよね。
自分や友人の顔も知らない人に共有?
位置情報がついている写真は自動でストーリーが作成されるので、それがセルフィーであろうが集合写真であろうが、ストーリーに組み込まれます。
もちろん手動で削除できるのですが、それをやらずにそのまま後悔している人がけっこういますね。お子さんの顔とか家族写真とかパブリックに公開です。顔バレが怖くてちょっと私はできませんね…
こちらは「人の写真はストーリーに含めない」ボタンがあれば解決しますが、映り込みとかもあるので、一概には難しいかもしれません。ただピントとかでここはテクノロジーで解決できる気がします。
位置情報の粒度ざっくりしすぎ問題
この画像見てもらえればよいのですが、同じ場所でとった写真でも「広蔵市場」、「Lotte Hotel Seoul周辺」、「Gwangjang Market周辺」と3つのタイムラインにわけられてしまっています。もちろん写真についた位置情報が悪いのですが、イケている仕様とはお世辞にも言えないですよね…
これは明るさや雰囲気で自動でマージしてくれる機能や手動でマージできる機能とかがあれば使いやすくなる気がします。
ただそれ以外にも問題があります。
こちらの画像みればわかるのですが、1枚目「明洞ショッピングストリート周辺」、2枚目「Outback Steakhouse周辺」。いやアウトバックステーキハウスも広義でいえば、明洞ショッピングストリート周辺なのです。粒度が違いすぎる・・・
明洞観光しに来た人にとっては「明洞」というざっくりとした区切りにしたいでしょうし、アウトバックステーキでごはんを食べた人にとっては「アウトバックステーキハウス周辺」として欲しいでしょう。
このへんを自動でやるって難しいですね。
その外出は旅行・おでかけなのか問題
日常の外出と旅行・おでかけの違いってなんでしょうか?
例えば同じ「渋谷に行く」という行為ひとつとっても、新潟県に住んでいる人にとってはこれは「旅行」ですよね。一方、渋谷に通勤・通学している人にとっては「日常の外出」ですよね?
あるいは厚木に行くにしても、日雇いバイトで行く途中に撮った厚木駅の写真と箱根にいく途中で撮った厚木駅の写真があります。
この区別はどうやってつけるのでしょうか?
いちいち日雇いバイトやただの買い物といった日常の外出でストーリー作られたらたまったもんではないですよね。しかし、この線引ってかなり難しいです。
海外であればほぼ間違いなく「旅行・おでかけ」ですが国内の外出は100%「旅行・おでかけ」なのでしょうか?難しいところです。
まとめ
旅行系の会社で働いたことのある人間としては、メルトリップを旅行記作成アプリとして捉えるならばなかなか厳しいような気がします。
上記のように、それ旅行?ただの外出?といった問題が発生するからです。
しかしながら、ワンタップで旅行記が作れるというのはありそうでなかったサービス。旅行の記録は残したい、でもズボラで旅行記なんて書いてられないって人には便利ですね。
compathyもtripnoteも旅行ログはまとめられますが、ワンタップというのはメルトリップならではです。
リリース直後ですし、厳しく見えるのも当然といえば当然。母体はメルカリですし、驚くようなテクノロジーで上で上げたような問題を解決してくれるかもしれません。それにメルトリップはきっと旅行記作成サービスにとどまらない、もっと大きな絵を描いているはずです。期待!!
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